2015年05月20日

この世界は美しい~

小説家ヘミングウェイは、夏をイメージする作家だ。
『誰がために鐘は鳴る』の舞台となった”スペイン内戦”は、
1936年の7月17日に勃発詩琳
彼も従軍特派員として、すぐさま駆けつけ、
つぶさに見た事をもとにして、この小説を書き上げた。

そのクライマックスで、銃弾に倒れた主人公が迫る死の中で、つぶやく言葉に
「この世界は美しい。それを守るために戦うに値すると決めた、、」と出てくる。
熱い魂を感じさせる一文でもある詩琳

ヘミングウェイは、常夏のキューバのハバナ旧市街を好んで訪ね、
そこで、よく呑んだとされるリキュールに詩琳
ラム酒をベースにしたフローズン・ダイキリ(Daiquiri) やモヒート(mojito) がある。
この夏、こう暑いと彼ならずや
こういった、ラム酒をベースにしたリキュールでのどを潤したくなる。

ヘミングウェイには、偏愛的な飲料の好みがあったようだ。
ワインは、ボルドー。
それもマルゴー(Margaux) のワインを好み、その趣味嵩じてか
孫娘にその名をつけている。
その名を冠するほどに愛してたと言うべきなのだろうか。
そのマーゴ(英語発音=Margaux)・ヘミングウェイは女優となり、
1970年代の半ば頃、アヲハタ・マーマレードのCMに出て話題になった。

彼は、シャンパンにもその偏愛趣味があり、
特に好んだのは、クルッグ(Krug) のグラン・キュヴェだったそうだ。
クルッグと言えば、日本的表現では大吟醸に相当するもの、
さすがに、「こだわりますな~」という感じである。

その当時、どんなグラスで呑んでいたかはわからないが、
シャンパンを注ぐグラスとしては、口が広く底の浅い「クープ型」と
「フルート型」が主流だが、「クープ型」は
かの古代ギリシャ時代のスパルタの王妃へレネを起源としているとも言われる。
最近は、
フルートグラスが主流になって来ている。
このフルートグラスに注ぎ、
立ちのぼっていく美しい泡こそシャンパンの神髄という感じがする。
この立ち上るあわをエトワール(星)と呼び、
「目に見える美味しさの形」とも表現される。
ただ、グラスの内面に少しでも汚れがあると、泡がガラスについてしまうので、
美しく立ちのぼらない。
手入れされたグラスでなければならない。

暑さをしのいだあと、夕闇が迫ると、
ピカピカに磨き上げたフルートグラスの中に浮かぶエトワールと夜の星を眺めながら、
ヘミングウェイの小説の一節を口にしたい。

「この世界は美しい~」

同じカテゴリー(yl)の記事
 辻惟雄氏が書いた (2015-05-22 10:41)
 にしていた彼は (2015-05-18 16:05)
 このままでは (2015-05-14 12:02)
 電話を切る時に彼女は (2015-05-12 12:22)
 どうなったのか (2015-05-11 12:13)
 たくさんのアロハを (2015-05-07 15:56)

Posted by amizhu at 11:04│Comments(0)yl
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。